ヨガの目的は、
「穏やかで満たされた心を手に入れること」です。
具体的には、
- 良い姿勢
- 良い体の使い方
- 良い呼吸
の3つを身につけることで、「穏やかで満たされた心」を手に入れることができます。
(ヨガを考えた人は、「体と心のつながり」を身をもって理解していたんでしょうね)
ではどのようにして、「良い姿勢・体の使い方・呼吸」を身につけるのか?
そのための意識が、
- グラウンディング
- コントラスト
- コアモーション
- インナーブリーズ
の4つです。
前回は、「グラウンディング&コントラスト」=良い姿勢の意識について解説しました。
今回は、
- コアモーション
良い体の使い方 - インナーブリーズ
良い呼吸の仕方
の2つについて、わかりやすく解説していきます。
体の使い方が悪く、呼吸が浅ければ、それだけ疲れやすく、見た目も悪くなります。
ヨガを通して、「良い体の使い方と呼吸」を身につけることができれば、それだけで筋肉が硬直しにくい=不調になりにくい体を手に入れることができるでしょう。
1. コアモーションとは?
「コアモーション」とは、文字通り、
「中心から体を動かす意識」のことです。
体を中心から動かすことで、
体への負担が少ない上、美しいポーズをとることができるようになります。
逆に、「小手先の動き」だと、
体への負担が大きく、見た目も美しくありません。
具体的には、以下のポイントを意識して、ポーズをとりましょう。
- 開脚するとき
→股関節から開く(動かす) - 前屈するとき
→股関節から体を折る - 後屈するとき
→胸椎から反る - 捻るとき
→胸椎から反る - 腕を動かすとき
→肩甲骨から動かす
→腕を広げるときは、胸の中心から
→腕を上げるときは、肋骨から
僕は個人的に、
「体の付け根を動かせば、ほとんどの不調は解消する」と考えています。
- 肩甲骨や胸椎を動かす
- →上半身の筋肉が柔らかくなる
- =肩こりや頭痛が解消する
- 股関節を動かす
- →下半身の筋肉が柔らかくなる
- =腰痛や脚のハリ・冷え・むくみが解消する
そして、ヨガのポーズを通して、「コアモーション(体を中心から動かす意識)」を身につける。
同時に、日常生活でも、
- 歩くときは
→「股関節(おへその下)が足の付け根」という意識で、大股で歩く - 腕を動かす時は
→「肩甲骨・胸椎が腕の付け根」という意識で、動かす
という意識で過ごす。
そうして、意識的にコアモーションを実践すれば、無意識でも体を付け根から動かせるようになり、
筋肉が硬直しにくい=「不調になりにくい体」を手に入れることができます。
4. インナーブリーズとは?
ヨガで最も大切な意識は「呼吸」です。
すべてのポーズで「柔らかくて深い呼吸」を意識し、呼吸を通して「穏やかで満たされた心を養うこと」がヨガのゴールだからです。
そして、「インナーブリーズ」とは、”全身呼吸”という呼吸法のこと。
お腹を膨らませる”腹式呼吸”でも、胸を膨らませる”胸式呼吸”でもなく、
胴体全体を膨らませる”全身呼吸”を行うことで、ヨガのポーズを深めやすくなります。
具体的には、以下の意識で呼吸を行いましょう。
- 全身に空気を送り込む意識で、フワ〜ッと息を吸う
→上は頭、後ろは背中・腰、前はお腹・胸、横は肋骨、(下は足先まで)、全てがフワッと広がるイメージで - 全身の空気を絞り出す意識で、スーッと息を吐き切る
→下っ腹をキューッと締めるように吐き切る
よく、「ヨガは腹式呼吸で行う」と言われていますが、個人的には全身呼吸がいいと思います。
なぜなら、「腹式呼吸→副交感神経優位になる」ため、リラックスしすぎて、体の力が抜けすぎてしまうから。
ヨガでポーズをとるためには、「力を入れるところは入れて、抜くところは抜く」ことがとても大切。
だから、リラックスに傾く腹式呼吸を行うのは不自然に感じられるのです。
呼吸はヨガの鍵
インナーブリーズ(呼吸)は、
これまで紹介してきた「グラウンディング」・「コントラスト」・「コアモーション」の鍵を握っています。
- グラウンディング
→吐く息とともに頭の血を下げ、上を脱力する
→呼吸はコア(インナーユニット)を締めるスイッチ - コントラスト
→吸う息で上に伸び、吐く息で脱力する - コアモーション
→呼吸に合わせて動く(一呼吸一動作)
インナーブリーズを意識してポーズを行えば、
自然と姿勢や動作は美しくなり、気持ち良くポーズをとれるようになります。
「全てのポーズは”柔らかくて深い呼吸”を手に入れるためにある」ことを念頭におき、
常に呼吸を意識しながらヨガを行いましょう。
3. まとめ|コアモーション・インナーブリーズとは?
コアモーションとインナーブリーズについて、簡単にまとめます。
- コアモーション
中心から体を動かす意識- 腕は「肩甲骨・胸椎」から、足は「股関節・おへそ」から動かす
- 美しく、体への負担が少ない動きができるようになる
- インナーブリーズ
全身で呼吸をする意識- 吸う時は「頭〜肋骨〜つま先まで、膨らませる意識」で、吐く時は「下っ腹に力を入れて、全身から空気を絞り出す意識」で呼吸をする
- 腹式呼吸(リラックス)と胸式呼吸(活性化)の両方の効果を得ることができる
今回ご紹介した、「コアモーション&インナーブリーズ」と、
前回ご紹介した、「グラウンディング・コントラスト」の4つが、「ヨガの基本の意識」です。
ただ、これらの意識を、最初からすべて完璧に行う必要はありません。
(ヨガには”頭を鎮める”という目的もあるため、あまり考えすぎると本末転倒になってしまいます)
「ポーズ中は、全身で呼吸するようにしよう」
「コアの意識だけは抜かないようにしよう」
こんな風に、最初は一つずつ、少しずつ意識してみてください。
慣れると、無意識でも体が動くようになってきます。
ヨガは「良い姿勢・良い体の使い方・良い呼吸の練習」です。
ヨガをただのストレッチにしないためにも、ヨガで不調を解消するためにも、4つの意識を自分のものにしてください。